ことのはカフェ

カフェに纏わる由なしごとをそこはかとなく綴ります。

ピクニックの気分を

ピクニックに行きたくなるようなお天気の日が増えてきましたね。

先日、仕事の打ち合わせのために行った喫茶店では野原を思い起こさせるような食器でお料理を出してくれました。どうやらお店のオーナーさんの手作りのようです。

丸くて平たいお皿は、草むらの様。カップはごつごつとした石の様。お店の中も、木をたくさん使っていてピクニックをしているような気分を味わいました。

そして何よりも目を引いたのは、小枝を思わせる様な形をした陶器のスプーンです。ソーサーの上にそっとのっていました。お食事のためにはステンレス製のスプーンが使いやすいのかもしれませんが、飲み物に添えられたものならば複雑な形をしていても問題はなく、楽しい演出になるでしょう。

スプーンは喫茶店では主役にはなりにくい存在ですが、このスプーンは小さいながらもしっかりと存在感をあらわしていました。

お箸をつかうときには箸置きが食卓を和ませる名脇役になってくれますが、喫茶店のスプーンもさまざまに形を変えると箸置きと同じぐらいの演出効果を発揮してくれるのかもしれないですね。

以前、柄の部分が輪のようになったスプーンを見たことがあります。不思議な形だと思いましたが、それは赤ちゃんがうまれたお祝いに贈るためのもので、赤ちゃんの小さな手でも持ちやすいための工夫がされているということでした。

中村草田男が子どもの成長を詠んだよく知られている句がありますが、万緑がどんどんと近づいて来ていますね。万緑の頃には穏やかな気持ちでピクニックを楽しみたいです。