ことのはカフェ

カフェに纏わる由なしごとをそこはかとなく綴ります。

スーラの点描画をおもいながら

暦の上では夏になりましたね。
雨が降る日も多いこの頃、おひさまがお顔を見せてくれるとオープンテラスのカフェに行きたくなってしまいます。

木やお花の名前はよく知らないのですが、小さな葉っぱの木がよく見える場所に座ってポットのコーヒーを注文します。

葉っぱの1枚ずつをおひさまが照らしていて、きらきらしています。葉っぱのそれぞれが、スーラの点描画のように見えます。ときどき、心地のよい風が吹いてきて、葉っぱたちがさわさわさわ、と音を立てます。

『おひさま、きれいな絵をありがとうございます。葉っぱさんと風さん、息の合った素敵な演奏ですね』心の中で、そっと語りかけます。本当に声にしても誰にも驚かれないのは、物語の中にいる『赤毛のアン』ぐらいでしょうね。


以前、1杯が10万円するコーヒーを出す喫茶店があると聞き、とても驚いたことがあります。
最高のお豆と最高の技術には当然のお値段なのでしょう。とは言え、誰もが気軽に飲むことができる、というものでもなさそうです。


ゆっくりと絵画と演奏を味わいながらオープンテラスで頂くコーヒーは、日常的なお値段でありながら、味わいは10万円のコーヒーと同じくらいの価値があるような気がします。


おひさまに照らされたどの葉っぱも輝いているように、どの喫茶店もきらきらと輝いて、多くのコーヒー好きたちの心を和ませてくれている…と、思っています。