ことのはカフェ

カフェに纏わる由なしごとをそこはかとなく綴ります。

駄洒落のつもりで

以前、連れて行ってもらった郊外の喫茶店のランチメニューの中に『冬菇しいたけ』のソテーが添えられていました。もちろん、他のお料理もコーヒーもとても美味しかったのですが、見事な冬菇が一番印象的でした。

池波正太郎さんが『つけ合せの温野菜は、それぞれの料理に合せて、みなちがう。これが本当なのだ』と書いていたことを想い出します。コーヒーが主役の喫茶店で、お料理のつけ合せにまで妥協しないことが心に響きました。

しいたけはどちらかというと、脇役になることが多いものではありますが、じっくりと丁寧にお料理されると輝きを増すものだなぁ…と改めて教わった気がします。

脇役ならば、脇役ならではの輝き方もありますが、しいたけは時々、悪役にさせられてしまうことさえありますね。特に子どもたちにはあまり歓迎されないことが多くて、学校給食では徹底的に除けていた同級生を何人も覚えています。

しいたけは栄養価がとても高く、特に免疫力を上げる効果が高いらしいです。寒いこの時期には積極的にいただきたいです。

よく『力がない役者は悪役を演じられない』といわれていますが、悪役にされるしいたけも一流の役者さんのようなものなのなのかもしれません。

茶店の『冬菇しいたけのソテー』はおかわりをしたいほどでした。もし、おかわりをお願いしていたら『欲しいだけ、お食べなさい』と言っていただけたでしょうか。