ことのはカフェ

カフェに纏わる由なしごとをそこはかとなく綴ります。

サンドの話

暑さが少しだけ落ち着いた午後に、ランドセルよりもかなり細身の小さな女の子たちとすれ違いました。くるくるとまわりながら、楽しそうにお喋りをしている様子を見ていると微笑ましいです。

可愛らしい声が意外な言葉を放ちました。
『なつかしいよねー』
動揺して、瞬きの回数が3度ほど増える思いです。

『それは、お嬢さんたちの10倍ぐらいの齢のお姉さんたちが過去を振り返るときに使う言葉なのではないのかな…?』


映画などの影響もあるのかもしれませんが、若い人たちもずいぶん『なつかしい』という言葉を使うものですね。小学校低学年の『なつかしい』は幼稚園? 過去をイメージさせる色にはセピア色がありますが、どう見ても鮮やかな色の方が似合いそうです。

あー、びっくりした。


ランドセルのお嬢さんたちと同じ年頃のとき、喫茶店ではいつもサンドイッチを食べていました。玉子のサンドイッチが特にお気に入りで、組み合わせのトマトときゅうりのサンドイッチは『残したら、お行儀が悪い』という理由だけで食べていました。

子どもの頃にはそれほど仲良しとは思えなかったきゅうりのサンドイッチですが、年齢を重ねるに従って玉子サンドの位置にせまる勢いで定番になりつつあります。好みが大人になってきたのかも、と少し自惚れます。

サンドイッチの中味ぐらいのことで大人になった積もりでいたら、敬愛するお兄さんたちやお姉さんたちから『10年はやいよ』と、窘められてしまうかもしれませんね。

とは言え、夏の暑さと折り合いをつけるのには、見た目も涼やかで体をほどよく冷ましてくれるきゅうりは心強い味方です。うまく食事に取り入れて、夏を快適に過ごしたいですね。