ことのはカフェ

カフェに纏わる由なしごとをそこはかとなく綴ります。

絵本を見るように

物語の主人公が目を輝かせながら食べるような5段重ねのホットケーキ。頂上にはバター、さらにメイプルシロップが惜しみなく。彫刻のように美しくカットされたあざやかな果物がふんだんに盛りつけられた器。どうやって頂くのか?という程の厚さのサンドイッチ。自家製のジャムを3種類も添えたトースト。あれも、これもと眺めてしまいました。

カウンター席に浅く座って、後ろを振り向いているのは、あの話題作に主演した女優さん。事務所の社長さんに連れられて来て以来、お店の常連になったのだとのお話です。

脚本家が苺のショートケーキを注文して、執筆にかかります。

お店の前に設置されたベンチで人気のランチメニューを楽しそうに待っている人たち。

絵本の世界に引き込まれるかのように時間が経っていきます。

この絵本の世界に、もっとどっぷりと浸かっていたいけれど、そうも言ってはいられません。
師走になり、そろそろ片付けや掃除を…と思い本棚に向き合ってから何十分も雑誌に見入ってしまいました。3年前に買った『喫茶店特集』の雑誌です。
本棚の片付けを始めて、つい脱線、というパターンにはまってしまいました。

この雑誌は捨てずに残しておくことにします。そして、全国の素敵な喫茶店の風景を味わいたいと思います。子どもがお気に入りの絵本をボロボロになってもずっと、持ち続けるのと一緒の気持ちです。

その雑誌に載っている、どの喫茶店からも寛げる雰囲気とメニューをお客さんに届けようとする心意気が、しみじみと伝わってきて、表紙のキャッチフレーズ、喫茶店好き。という言葉に心の底から同意しました。